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町中ではマスクを外して楽しそうに過ごしている人の姿もちらほら。 やっとマスク生活から解放される!と喜んでいる人達が居る一方で、再び感染爆発が起こってしまうのではないか…? という不安を抱えている人も多いと思います。 しかも今後は感染してしまったら治療費が自己負担……。ダメージがさらに大。 自分で出来る対策は十分に行い、感染に気をつけて過ごしていきましょう!   本題に参ります! 今回は、当院が精神科病院であることにちなんで、私物の精神科絡みの書籍を紹介しようと思います。     1冊目は、『ケーキの切れない非行少年たち』です! 作者である宮口幸治さんは児童精神科医 兼 臨床心理士です。精神病院や医療少年院にて勤務されてきた方だそうです。 (医療少年院とは?…家庭裁判所にて心身の故障があると審判された14歳~26歳の青少年を収容する施設と定義されています。(bing検索より) 児童精神科医として非行少年と関わり続けた結果、彼らは医療少年院にいる少年達との共通点が多いと分かったそう。     内容としては、犯罪を犯してしまう少年少女の傾向とは何か?罪を犯した彼らをどのように更正させていくか?医療・福祉・教育サイドは、そのような傾向のある少年少女に対してどのような関わりをすれば、犯罪の芽を摘めたのか?といったところです。   読んで感じたことは、非行少年たちに対する憐憫さでした。 本来は、彼らに見合った教育や支援、生育環境を整えるべきであったのに、それがなされなかった。育っていく過程で他者との軋轢やトラブル(ある意味それがSOSなのではないか)があっても、ただの問題児としてみなされ、適切な対応や関わりをされず、ただ学校や社会ののけものにされてしまう…。 その結果が、「犯罪」に至ってしまった。   たとえば、一般的な同年代の子達が理解出来ることが出来ない。本人は一所懸命やろうとしているのに上手くいかず、友達からは馬鹿にされ親や教師からは叱責される。それが知的な発達の遅れから生じるものであり、支援学級や児童デイケアなどの対応が望まれる場面であっても気づかれず、無理やり「普通」の枠に閉じ込められる。その結果、自己肯定感や自己効力感が低下し、自暴自棄になって…といったケースなど。   医療・福祉・教育サイドは、子供一人一人の特性や個性をよく観察し、個々人にあった関わりをしていくこと、 いつでもどんな子供や家庭にとってもオープンに開かれた場所であることって大事だな、とも思いました。   続いて2冊目は、『死にたいと言ってください。 -保健所こころの支援係-』です! 保健所を舞台に、新人精神保健福祉士さん(PSW:Psychiatric Socal Worker)が奮闘するお仕事漫画となっています。 (精神保健福祉士さんって、普段「PSWさん」と呼んでいますが、英語の正式名称って知らないなあと思い調べて載せてみました! ずっとpsycological social workerだと思っていました…) 2巻まで発行されていますが、2巻はまだ読めていません…。     この漫画は、様々な患者さんが登場するオムニバス形式の作品となっていますので、(3話くらいで1ストーリー簡潔) 長い話が苦手な方でも読みやすいと思います。ただ内容がシリアスなのと一部過激な描写があるので読む人を選ぶところはあります…。   「死にたい」と悩む患者さんや、そのご家族の方達のSOSに耳を傾け、どう関わっていくのか? 抱える思いや病気が似ていても、患者さん自身やそこに至る経緯や患者さんを囲む環境は千差万別。 患者さんの苦しい思いに対し、どう向き合い、関わっていくのか、看護師にも通じるところがあるなと読みながら思いました。   身体的な病であれば、「この薬を飲めば治る!生活習慣をこんなふうに改善すれば良くなる!」と、誰が罹患してもおおよそ 治療の手立てが明確に定まっていますし、血圧や血糖値、腫瘍マーカーなど具体的数値を見ながら状況を把握していくことが出来ます。 しかし精神的な病だと、こうはいかないのが難しいところだなと感じます。その分、患者さんとよく向き合うこと、対話をすることで 患者さんの思いや気持ちの揺れ動きを理解するのが重要と言いますか…。 言葉だけじゃなく、言動や身なり、雰囲気…「感じとる」センスも磨かないといけないな、と思いました。   個人的には、表紙に描かれている女の子のお話が印象的でした。 自分はいつも患者さんに話しかけられたら、相手の意図がどうあれ「聞いて欲しいんだな」と思い可能な限り話を聞くようにしています。 しかしその行動が、患者さんの病態によっては「この人はいつでも話を聞いてくれる!」と感じさせてしまい、ある意味依存のような 感情を抱かせてしまうことがある…。そうならないよう、双方で決め事をして、「ここまではOK,これ以上はNG」という線引きを作るのが重要、という学びを得ました。 自分は正直、そのような線引きが苦手な方なのですが、患者さんが病院の外に出て社会に溶け込んでいくときの足かせにならないよう、時にはそういった関わりが出来るように心得ていきたいところです。     長文になってしまいました…。お時間、お手間をかけてしまい申し訳ありません(汗) ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました! この記事をきっかけに、精神科に興味を持っていただけましたら幸いです!!   夏に向けて暑くなったり寒くなったり風が吹いたりと落ち着かない気候ですが、みなさまどうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいね!