旭川の内科・消化器科・消化器内科なら野口病院
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初めまして、野口病院で務めています64歳の放射線技師です。
今回は、食べることも老化するのかなという話です。
老体になる以前から感じていたことではありますが、若いころに比べると腹いっぱいに食べることができなくなったと感じることが多くなりました。そのくせすぐに満腹になってしまう。
最近はテレビ番組でも、おいしそうな料理や豪華な食事のシーンがよく見られるようになりましたが、それを見たときには、「美味しそうだな」「ん~っ食べてみたい」と思うのですが、テーブルに並んだ料理を食べようとすると意外に量を食べられないのです。
更に脂っこいものを食べた後には、後悔することが多々あり、美味しいものを食べたいという欲求と、満腹を受け入れられない老体の狭間で悩むことがしばしば。
ふと思うのですが、一体自分の胃は若いころに比べてどうなったのかなということです。
そこで、技師の記憶から胃についてのお話を少しだけ。
胃の内側、すなわち消化の行われる場所ですが、食べる前に目で見て、嗅いで、味わった時から胃はすでに消化体制に入っているのですが(パブロフの犬?)、胃の中は肉なんか一時間で溶けてしまうくらいの胃液がジャブジャブ出てくるのです。この酸を作るのが胃の粘膜にある細胞なのですが、年齢を重ねていくと胃の出口の方から入口向かって酸を出さない腸と同じような細胞に次第に変わっていくのです。
また加齢の他に、胃の粘膜を長い時間かけて痛めつけるようなこと(酒、ストレスなど人によって色々、中年以降の方はピロリ菌の存在など)で、慢性胃炎状態からも正常な胃の粘膜が減っていってしまうのです。こうして消化するための胃酸が少なくなっていき、消化力が減少します。
ところで、かわいい動物の名前やカタカナ名前の付いた大食いの方が、テレビ番組やネットで残り時間を気にしながら、どう見ても食べすぎな量の食べ物を器から消し去るのを見て驚きませんか?
食べた後は、お腹はポッコリとするらしいですが、こんなことができるのも地道に普段から訓練をしているから、らしいです。実は、胃は意外に筋肉質な臓器で、食べたものを胃液と根気良くこねて消化をしているのですが、コツコツと鍛えることで大食いの方はサイヤ人のようなムキムキの胃になるのでしょうかね!(^^)!
スキーで有名な三浦雄一郎さんは、80歳を過ぎても肉をもりもり食べているらしいと聞きましたが、食べないとやはり食べられなくなるのでしょうか。他にも食べることに関わる因子はいろいろあるのでしょう。
と、ここまで色々と考えてはみましたが、最大の食事に対する抵抗感は、おなかのポッチャリかもしれません。締まりのない腹の出っ張りが、無言(妻からは言葉で)の圧力をかけられているのかもしれません。食べたい、いや我慢、と消化力と関係のないところでの制限はとても心苦しいものです。
まとまりのない話になりましたが、自分が『前ほど満足するまで食べられなくなった』と感じることが説明できているかは、残念ながら自信はありません。
話は変わりまして、先日久しぶりに(5年ぶりくらいでしょうか)、山菜のウドの芽の天ぷらを大皿盛りで食べられる機会がありました。「たくさん食べて」と出されたのに、大好きなのに思ったほど食べられませんでした。いつもよりは食べたのですが、やはり少し油に負けたかな?
それでも、さしたるグルメでもない自分が、自分にとっておいしい物を元気に食べたいと思えるのは、まだ伸びしろが残されていると思いたいのですが…。
読んで下さった皆さんには、ぜひとも、大好きな物をおいしく元気に召し上がって頂けると良いなと思います。